リマ・クスコ間のバスの中で危うく失神!!1. リマーークスコ間のバスの中で危うく失神?!!トロントで待ち時間が7時間位あったから、成田からリマまで30時間ほど掛かったろうか。 手持ちのドルをソルに交換して、まずは今日の宿泊場所を決めなくては。 古い「地球の歩き方」を見て、2ヶ所ばかり安ホテルの住所と名前を書いてきた。 空港を出ようとすると、「タクシー? コレクティーボ?」と呼び止められた。 2軒ともサンフランシスコ教会の近くなので、「サンフランシスコ教会の近くで下りたい。」と言った。 5ソーレスと引き替えに券をくれて、コレクティーボに案内された。7,8人の先客がいた。 コレクティーボは乗り合いタクシーである。 私のスペイン語は通じていなかったのか? 下ろされた所は『サンフランシスコ』というホテルだった。 愛想の好いお兄ちゃんが飛んで出てきて、荷物をサッサとフロントに運んでしまった。 が、見渡したところ、此処はどう見ても4流以下ではなかろうか。 「どうしたものか?」と思案していると、廊下の奥の方から2人の男性が歩いてきた。 60才台と30才台位で、あとからOさんとM君と分かった。 「こんにちは!」 「日本人ですよね!」 「今着かれたんですか?」 「そうなんです。 コレコレシカジカ・・。 でも、このホテルはどうもね。」と私。 「他のホテルにしようか、と思っているんですよ。」 「僕たち此処に泊まっていたんですけど、これからクスコに行くんですよ。一緒に行きませんか?」 「そうですね。 リマは10年前に夫と一緒に来て観ているので、一緒に行きましょうか。」 決まれば早い。 二人が道案内も兼ねて、早速〔クルス・デル・スール〕のバス停までチケットを買いに行った。 ところが二人が予約していた午後便は満席だった。 夕方6時半発には空席があるというので、 「じゃあ私は一人で後から追いかけますよ。 クスコでは何処に泊まりますか?」 「ヤハタさんに泊まるので、電話番号を書いておきましょう。」と言ってくれた。 もう一度『サンフランシスコ』に戻り、Oさん・M君は発っていった。 クスコに向かうバスの中。 夕べから随分寝てしまった。 こんなに眠ったのに、なぜか気持が悪いよ。 どうしたことか? トイレに行ってみよう。 私は一番前の席だったから、通路を歩いていった。 途中まで行った時、《フゥーッと気が遠くなり》倒れそうになった。 やっと席に戻ったものの、気持ち悪さは治まらない。 「リマを出てから15時間は経つから、あと2・3時間でクスコに着くかな。」と思いながら、グタッとうつ伏せになっていると、隣の席の若い女性が「気持悪いの?」と聞いてくれた。 女性の車掌さんに何か話してくれ、しばらくすると暖かいコカ茶を持ってきてくれた。 以前にも飲んだことがあるが、高山病にはとても良く効くものだ。 美味しかった。 飲んでちょっとすると、むかむかっと込み上げてきた。 殆ど何も食べずに寝ていたので、戻すものも無かったが、ビニール袋にちょっと戻してしまった。 だがそれで一気に楽になったのだった。 クスコに到着したのは、それから6時間も経ってからだった。 リマからクスコまで約21時間である。 そしてリマは海抜数メートルだが、クスコは海抜3400mである。 要するに、下関から富士山の9合目ぐらいまで、ぶっ通しでバスで登ったようなものだろうか。 成田からトロント、トロントからリマ、リマからクスコまで、合計50時間以上乗り物に乗り続けたのだから、倒れそうになったのも仕方がないと言えよう。 少々の疲れと、少々の睡眠不足と、軽い高山病とが重なったかも知れない。 旅の初めからみっともないことだったが、これからは無理をせぬよう気を付けよう。 |